講演会・セミナー

本講演会は外部から研究者を招聘して行います。「公開」となっているものは、誰でも参加が可能です。大体の参加人数を把握しておきたいため、参加を希望される方は事前に連絡を下さると助かりますが必須ではありません(直前でも構いません)。特に、将来バイオインフォマティクス分野で研究を行うことを検討している早稲田大学の学部学生(特に1、2、3年生)の参加を歓迎します。いずれの講演も、予備知識を多く仮定せず基本的な部分から話をして頂けるようにお願いしますので、学部初年度でも十分聴講可能だと思います。そのため、通常の学会より長い講演時間(90分)となっています。


開催予定の講演会:

第41回(公開)

日時:2023年1219日(15:05-16:45

場所:西早稲田キャンパス 52号館204号室

講演者:寺本 礼仁 (中外製薬株式会社モダリティ基盤研究部マシンラーニンググループ)

タイトル:医薬品分子設計のための機械学習技術

アブストラクト:医薬品業界では、医薬品創出の難易度が上がり、研究開発における生産性が低下する中で、創薬プロセス全体を変革する必要に迫られている。この課題解決の1つ方法として、機械学習技術の活用による創薬の加速化や開発期間の短縮がある。近年、深層学習を始めとした機械学習技術は目覚ましく発展しており、これらの技術を創薬のどのプロセスにどのように活用していくかが課題解決において、重要になってきている。本セミナーでは、まず創薬プロセスを概観し、医薬品分子創出プロセスにおける課題を紹介する。その後、各課題について我々が取り組んでいる医薬品分子探索に関する機械学習技術について紹介する。

終了済みの講演会:

お忙しい中ご講演をしてくださった先生方に厚く御礼申し上げます。

第40回(公開)

日時:2023年10月20日(金)13:10-14:50

場所:西早稲田キャンパス 56号館101号室

講演者:内藤雄樹 博士(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 特任准教授)

タイトル:核酸医薬およびゲノム編集を支援するための塩基配列検索技術とウェブツール

第39回(公開)

日時:2023年9月20日(水)15:05-16:45

場所:西早稲田キャンパス 54号館204室

講演者:松井 孝太 博士(名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 生物統計学分野 講師)

タイトル:転移学習の基礎と重要度重み付き学習

第38回(公開)

日時:2023年8月24日(木)13:10-14:50

場所:西早稲田キャンパス54号館204

講演者:堀江真行 博士(大阪公立大学獣医学研究科 獣医微生物学教室 兼 大阪国際感染症研究センター)

タイトル:ウイルスを見つける、作る、調べる:デルタウイルスの一例

アブストラクト:現在、我々が知っているウイルスは地球全体のウイルスのごく一部にすぎず、脊椎動物のウイルスに限っても大量の未知のウイルスが存在すると考えられている。私はこれまで、新たな生命現象(ウイルス宿主間相互作用)の発見、ウイルスの進化と生態の解明、新興感染症対策、遺伝資源の探索を目的として、様々な動物や環境におけるウイルスの探索を行うとともに、発見したウイルスについて多様な観点から性状解析を行ってきた。本講演では、我々が近年に行なった「公共データを利用したウイルスの発見、発見したウイルスの人工合成系の確立、そして作出したウイルスを用いた実験による性状解析」という一連の流れと成果について、「デルタウイルス」という特異なウイルスを中心に紹介する。

第37回(公開)

日時:2023年5月11日(木)13:10-14:50

場所:西早稲田キャンパス 54号館404室

講演者:町田晋一 氏(国立国際医療研究センター ウイルス構造機能研究部)

タイトル:エピゲノムを利用したHIV複製機構の理解

アブストラクト:近年の抗HIV薬開発の進展により、HIV 感染者の血中HIV量を激減させ、エイズ発症を阻止することが可能となった。しかし、体内からのHIV完全除去は実現していない。そのため、生涯にわたる抗HIV薬の服用を余儀なくされている。よって、現在も、持続効果の 高い・副作用の少ない抗HIV薬の開発が欠かせない。また、薬剤耐性を有するウイルスの高頻度の出現が問題となっているため、さまざまなHIV複製ステップを対象とした薬剤開発が必要となっている。従って、HIV複製メカニズムの理解は、画期的な抗HIV療法の確立と発展に不可欠である。 HIVの遺伝情報であるウイルスRNAは逆転写され、二本鎖のウイルスDNA(vDNA)として核内に移行したのちに、宿主クロマチンにインテグレーションされる。このvDNAの宿主クロマチンへのインテグレーションは、感染者体内からのウイルス完全排除を阻む要因の一つである。興味深いことに、vDNAからのHIV遺伝子の発現は、宿主のエピゲノム制御機構が利用される。これまでに我々は、核に移行したHIV vDNA上に、クロマチン様構造がインテグレーション非依存的に形成されることを見出した (Machida et al., PNAS 2020)。 また、vDNA上に形成されるエピゲノムは、インテグレーション前後にてダイナミックに変化し、HIVの遺伝子発現をコントロールすることを示した。加えて、そのエピゲノム制御を司る因子を同定し、HIV感染初期におけるエピゲノムのダイナミクスが、HIV複製に必須であることを明らかにした (Machida et al., Preprint 2023)。 本講演では、これらの結果をもとに、宿主エピゲノム機構を利用したHIV感染確立とそれをターゲットとした抗HIV薬開発の可能性に関して議論したい。

第36回(非公開)

日時:2023年1月11日(水)10:00-11:00

場所:ハイブリッド開催(オフライン会場:西早稲田キャンパス 53号館303室)

講演者:高橋朋子 博士(埼玉大学理学部分子生物学科 遺伝子発現制御研究室助教)

タイトル:ヒトゲノムにコードされたmicroRNAによる抗ウイルス免疫

第35回(非公開)

日時:2022年11月9日(水)10:00-12:00(質疑・ディスカッションを含む)

場所:オンライン

講演者:島村 孝平 氏(熊本大学大学院先端科学研究部)

タイトル:機械学習力場開発の現状と展望

アブストラクト:生物学や物性科学ら多分野において、原子論的シミュレーション(分子動力学法、第一原理計算等)の重要性が高まっている。分子動力学法では各原子にかかる力を算出する「力場」の精度が課題となっていたが、近年の機械学習技術の発展により、高精度な機械学習力場が多く提案され、使われるようになってきている。今回のセミナーでは機械学習力場技術の全体像を概観し、各種手法の理論的な差異や活用事例等を紹介する。さらに、現在の機械学習力場が抱える問題に対する解決の展望についても議論したい。

第34回(非公開)

日時:2022年6月3日(金)13:00-14:45(質疑・ディスカッションを含む)

場所:オンライン

講演者:伊東 潤平 氏(東京大学医科学研究所)

タイトル:公的シーケンスデータ解析を用いたウイルス研究の射程

アブストラクト:生命科学がビッグデータ時代に突入して久しいが、ウイルス学もその例外ではない。新型コロナウイルスによるパンデミックを機に、ウイルス学は最もデータの豊富な生命科学の1分野となりつつある。例えば、現在までに1千万配列以上の新型コロナウイルスのゲノムが決定され、データベース上に公開されている。こうした公共シーケンスデータの爆発的な増大を背景に、ウイルス学と情報科学の融合が急速に進みつつある。演者は公共シーケンスデータの解析により仮説を生成し、実験によりその仮説の検証を行うというデータ駆動ウイルス学の創出に取り組んできた。そしてこのアプローチにより、実験主体のウイルス学だけでは捉えることができなかった、ウイルスの流行動態やウイルスと宿主の共進化関係を明らかにしてきた。本セミナーでは、「新型コロナウイルスの次期流行株の超早期捕捉」についての研究と、「ウイルスと宿主の共進化関係の解明」についての研究を例に、データ駆動ウイルス学の実例を紹介する。さらに、演者が行っているウイルス学と情報科学の分野融合に向けての様々な活動を紹介し、データ駆動ウイルス学がもたらしうる変革について議論したい。

第33回(非公開)

日時:2022年5月13日(金) 13:00-15:00 (質疑・ディスカッションを含む)

場所:オンライン

講演者:栗﨑 以久男 氏(神戸大学大学院システム情報学研究科)

タイトル:分子シミュレーションで迫る生体高分子の機能発現メカニズム

アブストラクト:生体系の物理化学的実体はタンパク質や核酸など生体分子の集合体であり、個々の分子の機能は分子運動に還元されると考えられます。そこで、生命現象の発現する仕組みを分子レベルからボトムアップで理解するためには、生体分子の運動に基づき機能発現のメカニズムを物理化学的に理解する必要があります。これを踏まえ、本講演では分子動力学シミュレーションを用いた生体分子認識メカニズム、細胞内環境下での生体分子の動態、そしてより複雑な生体分子運動の仕組みを理解するために開発したシミュレーション手法について、これまでの研究成果を元に紹介します。

第32回(非公開)

日時:2022年3月8日(火) 13:00-15:30 (質疑・ディスカッションを含む)

場所:オンライン

講演者1:佐藤 健吾 博士(慶應義塾大学理工学部 生命情報学科 専任講師)

タイトル1:「MXfold2: 深層学習を用いたRNA二次構造予測」

講演者2:秋山 真那斗 氏(慶應義塾大学理工学部 生命情報学科)

タイトル2:「RNABERT: RNAインフォマティクスのための塩基埋め込み手法」

参考文献:

Kengo Sato, Manato Akiyama, and Yasubumi Sakakibara (2021) RNA secondary structure prediction using deep learning with thermodynamic integration, Nature Communications.

Manato Akiyama and Yasubumi Sakakibara (2022) Informative RNA base embedding for RNA structural alignment and clustering by deep representation learning, NAR Genomics and Bioinformatics.

第31回(非公開)

日時:2022年1月12日 15:00-

場所:オンライン

講演者:三森 隆広 氏(特定国立研究開発法人理化学研究所 革新知能統合研究センター 研究員)

タイトル:機械学習による細胞画像解析の拡張

第30回(非公開)

日時:2021年2月24日 10:00-11:00

場所:オンライン

講演者:大里 直樹 博士(大阪大学大学院情報科学研究科 バイオ情報工学 特任助教)

タイトル:遺伝子発現・転写制御のバイオインフォマティクス解析

アブストラクト:2003年に国際ヒトゲノム配列コンソーシアムによりヒトゲノム配列が公開され、2002年に日本でマウスの完全長cDNA配列が公開された。ヒトやマウスのタンパク質配列をコードするmRNAだけでなく、タンパク質配列をコードしないmRNAが、約半分含まれていることが明らかとなった。ゲノム配列の約95%はタンパク質配列をコードしない領域であると推測されるが、そのような領域でもヒトとマウスで共通し保存されるDNA配列が明らかになった。遺伝子の発現制御の基本的な転写制御に関わる因子として、ヒトやマウスでは約1800の転写因子があり、転写因子のDNA結合配列解析が行われてきた。近年、ゲノム配列が変化しない、後天的で可逆的なゲノムDNAの修飾であるエピゲノムの機能が明らかになり、エピゲノム解析が行われている。またクロマチン相互作用を調べる実験技術が開発され、ゲノムDNAの高次構造が遺伝子発現に関わることが明らかとなった。公共データベースには、様々な実験データが蓄積されており、データ解析により実験解析では困難なことを調べ、新しい知見を得ることができる。これまでの研究解析結果も含め、遺伝子の転写制御の研究の概要と展望について紹介する。

第29回(非公開)

日時:2021年1月28日

場所:オンライン

講演者:川崎 純菜 氏(京都大学・生命科学研究科)

タイトル:1億年前から現代までのRNAウイルス感染症を理解する

第28回(公開)

日時:2020年1月24日 (金)16:30-18:00 

場所:西早稲田キャンパス 53号館401教室

講演者:柚木 克之 博士 (理研 IMS トランスオミクス研究 YCI ラボ 上級研究員)

タイトル:トランスオミクス:細胞の反応速度論的描像に基づく統合オミクス解析

アブストラクト:代謝の恒常性は、ゲノム(DNA)、トランスクリプトーム(RNA)、プロテオーム(タンパク質)、メタボローム(代謝物質)など、複数のオミクス階層にまたがる生化学ネットワークによって実現されている。トランスオミクスとはこれらのオミクス階層から得られた大規模データを用いて階層間・階層内をつなぐ生化学ネットワークを再構築し、分子間の因果関係を網羅的に同定する方法論である[1-3]。本会では大規模データを統合する際に前提となる細胞の反応速度論的描像や、実験デザイン上の留意点、数理モデル解析等について論じるとともに実際の研究例を紹介する[4-6]。さらにトランスオミクスの応用として、薬剤の作用を多階層ネットワークとして理解する試みについても触れる。

関連文献

[1] 柚木, 月刊「細胞」51(14), in press.

[2] Yugi et al., Trends Biotechnol. 34:276–290, 2016.

[3] Yugi et al., Curr. Opin. Syst. Biol. 15:109-120, 2019.

[4] Yugi et al., Cell Rep. 8, 1171-1183, 2014.

[5] †Krycer, †Yugi et al., Cell Rep. 21:3536-3547, 2017.

[6] †Kawata, †Hatano, †Yugi et al., iScience 7:212-229, 2018 (Cover Article).

第27回(公開)

日時:2020年1月10日(金) 16:30-18:00 

場所:西早稲田キャンパス 53号館301教室

講演者:松井 求 博士(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 岩崎研究室 助教)

タイトル:「Graph Splitting 法の全て~理論・実装・応用~」

アブストラクト:既存の分子系統解析手法はいずれも多重配列アライメント(MSA)を出発点とした手法であり,MSAの精度が高ければ良い性能を示す.しかし,進化距離が極めて大きな配列群については,そのMSAの精度は著しく低下してしまうため,どの既存手法にとっても系統推定は困難であった.そこで我々は,MSAに代え配列類似性グラフを出発点とする新手法「Graph Splitting (GS)法」を開発した.本セミナーではまず,GS法にまつわる理論と,多角的な精度検証により示されたGS法の優位性について詳しく説明する.さらに,GS法が明らかにした様々な遺伝子群の進化史を紹介しながら,分子系統学の今後についても議論したい.

参考文献:Motomu Matsui and Wataru Iwasaki (2019) Graph Splitting: A Graph-Based Approach for Superfamily-scale Phylogenetic Tree Reconstruction, Systematic Biology.

参考URL:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2019/6506/

第26回(非公開)

日時:2019年8月2日(金)10:00〜11:30

場所:63号館424ゼミ室  ※教室が変更となりました

講演者:田宮 元 博士(東北大学・東北メディカルメガバンク機構/理化学研究所革新知能統合研究センター)

タイトル:「大規模ゲノムコホートからのビッグデータ解析」

アブストラクト:TBA

第25回(公開)

日時:2019年7月30日(火)10:00〜11:30

場所:60号館306ゼミ室 ※教室は変更となる可能性があります

講演者:小嶋 泰弘 氏(東京大学大学院・新領域創成科学研究科・メディカル情報生命専攻/日本学術振興会特別研究員DC1)

タイトル:「機械学習による胚発生中遺伝子発現量の時空間再構築」

アブストラクト:胚発生では、一つの細胞から分裂や移動を繰り返すことによりそれぞれの生物種に固有の複雑な形態が作り上げられます。この複雑な現象の遂行には、数万種類に及ぶ遺伝子の発現が正確に制御され、決まった時刻に決まった場所で発現することが必要です。そのため、この時空間的なパターンを調べることは発生現象を理解する上で重要なステップとなります。近年、遺伝子発現量の観測技術の進歩により、発現の空間パターンを網羅的に取得するための手法が複数登場しています。今回の発表では、これらの遺伝子発現の空間パターンの情報と細胞の動きを捉えた3次元の動画情報とを機械学習の技術を用いて統合することにより、ダイナミックに細胞が動く中で胚発生時の遺伝子発現の空間パターンが形成される過程を計算機上で再構築する研究を紹介します。

第24回(公開)

日時:2018年3月14日(水)15:00~16:30(質疑を含む)

場所:西早稲田キャンパス 61号館2階206教室

講演者:佐藤 一誠 博士(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 講師 )

タイトル:「ベイズ的最適化の理論と応用 」

アブストラクト:ベイズ的最適化とは、入力から出力を得るコストが高いブラックボックス関 数を効率的に最適化する手法の総称である。 高コストなブラック ボックス関数に対して、少ない入力のステップでより最適化な出力を得ることを目 的とする。 例えば化学実験において、ある実験設定を入力と して、得られた化合物の良し悪しが数値的に計測可能な場合に、 より良い実験設定を探索する問題は、ベイズ的最適化の1つの応用例となる。 近年、機械学習アルゴリズムの複雑化にともない、機械学習アルゴリズム の実験設定も複雑化しており、ベイズ的最適化によって機械学習の実験を効率化する研究が注目を集めている。例えば、いくつかのアルゴリズムを複数パイプライン化して使用する場合、個々のアルゴリズム毎にモデル選択方法 やハイパーパラメータ設定をするのではなく、全体の性能を考慮し た実験設 定の最適化が必要になる。このような状況は、実験設定と最終的に欲しい結 果との間の関係はブラックボックスになっており、ベイズ的最適化の応用例となる。 本発表では、ベイズ的最適化の入門及び応用について説明する。

第23回(公開)

日時:2018年3月7日(水)15:00~16:30(質疑を含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館203教室

講演者:瀬戸 道生 博士(防衛大学校 総合教育学群 准教授 )

タイトル:「再生核の理論と応用(ビギナーズガイド) 」

アブストラクト:一昨年、インドでの国際学会に出席した際、「学生の就職対策に再生核の理論を教えている」という海外の大学の話を聴きました。再生核の理論とは、機械学習、統計学で活発に応用されているカーネル法の土台となる数学です。さて、ここで出てきた「再生核」とはなじみのない言葉かもしれませんが、実は理工系学部の3、4年生であればすでに出会っている概念です。それは複素解析学におけるコーシーの積分公式です。今回、その再生核の数学としての理論を、応用を視野に入れて解説します(ただし、私は理論専門、応用素人です)。具体的には、福水健次「カーネル法入門」(朝倉書店)の2章を理解するためのガイドとなるような話をします。また、最近、カーネルの増大列から不等式を量産する方法に気づきました。ここには応用の可能性があるのではないかと思っています。この話題に関しても、皆さんと気楽にディスカッションできることを期待しています。

この話を聴くためには、学部1、2年程度の数学、例えば、線形代数では固有値、エルミート行列、ベクトル空間といった言葉を聞いたことがあり、微分積分ではガウス積分を計算したことがあれば十分です。他にも必要なことが出てくるかもしれませんが、その都度解説しますのでご安心を。カーネル法の仕組みを理解するためにも、http://www.ytv.co.jp/tensai/ をぜひご覧ください。 

22回(公開)

日時:2017年3月30日(木)15:00~16:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館1階103教室

講演者:岩崎 信太郎 博士(理化学研究所 准主任研究員)

タイトル:「Ribosome profiling; tips, tricks, and its application to the study of translation inhibitor, Rocaglamide A」

要旨:Although it has been widely accepted that the protein expression level is simply determined by the abundance of mRNA, recent genome-wide and comprehensive analysis showed that mRNA abundance could only explain 30-40% of protein abundance. Moreover, the presence of frame-shift, stop codon read-through, and multiple translation initiation sites in mRNAs challenge the prediction of protein products from mRNAs. Irrespective of the impact of translation control to the final proteome in cells, however, the gene regulation at the translation level is still poorly understood. Thus, the quantitative, genome-wide, and unbiased techniques to measure translation in cells are warranted. Indeed, recent development of a technique called ribosome profiling based on next-generation deep sequencer enables us to survey translation and its regulation in vivo. I will talk about tips and tricks of ribosome profiling and the application to the study of a translation inhibitor, Rocaglamide A (RocA). RocA typifies a class of protein synthesis inhibitors that selectively kill aneuploid tumor cells and repress translation of specific mRNAs. RocA targets eukaryotic translation initiation factor 4A (eIF4A), an ATP-dependent DEAD-box RNA helicase, and its mRNA selectivity is proposed to reflect highly structured 5′ UTRs that require eIF4A-mediated unwinding strongly. Here, by ribosome profiling and other deep sequencing based techniques, we show that secondary structure in 5′ UTRs is only a minor determinant for RocA selectivity and RocA does not repress translation by reducing eIF4A availability. Rather, in vitro and in cells, RocA specifically clamps eIF4A onto polypurine sequences in ATP-independent manner. This artificially clamped eIF4A blocks 43S scanning, leading to premature, upstream translation initiation and reducing gene expression on transcripts bearing the RocA-eIF4A target sequence. In elucidating the mechanism of selective translation repression by this lead anti-cancer compound, we provide the first example of a drug stabilizing sequence-selective RNA-protein interactions.

21回(公開)

日時:2016年9月26日(月)15:00~16:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館201教室

講演者:持橋 大地 博士(統計数理研究所 数理・推論研究系 准教授)

タイトル:「無限次元離散分布と無限木構造隠れMarkovモデル」

要旨:隠れマルコフモデル(HMM)は情報科学の基本的なモデルであるが, 離散的な隠れ状態は フラットであり, 状態のさらに細かい区別や, 状態の間の関係を適切に表現することが できない。これには状態を木構造で構造化することが有用であるが, 分岐の数や木の 深さには無限の曖昧性が存在し, それらをすべて網羅した中からモデル選択を行うこと は不可能である。 本講演ではこれに対し, 無限次元離散分布であるディリクレ過程の積である木構造 Stick-breaking過程(Adams+ NIPS2010)をそれ自体木構造上で階層化することで, 階層的木構造Stick-breaking過程に基づいた無限木構造隠れMarkovモデル(ITHMM)に ついて解説する。提案法は, 無限隠れMarkovモデル(Beal 2001, Teh 2006)の階層 クラスタリング化ともとらえることができる。 無限次元離散分布であるディリクレ過程, およびStick-breaking過程の導入から始め, 自然に本手法の理解につながるようにしたい。

20回(公開)

日時:2016年9月20日(火)15:15~16:45(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 教54号館201教室 

講演者:岩崎 渉 博士(東京大学 准教授)

タイトル:「バイオインフォマティクスでひもとく生命進化の道のり」

要旨:ゲノムは生命の設計図であるのみならず、生命進化の歴史を現在に伝える記録でもあります。長い時間をかけて起こった生命進化を実験的に再現することは難しくとも、バイオインフォマティクスのアプローチを使えば、ゲノムデータを用いて生命進化の道のりをひもといていくことも可能となります。本セミナーでは、生命の進化や生態系の仕組みなど、大きなスケールの生命現象を大規模データに基づいて解明する研究について紹介します。

19回(公開)

日時:2016年9月20日(火)13:30~15:00(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館201教室

講演者:熊谷洋平 氏(東京大学大気海洋研究所 木暮研究室 博士課程 2年)

タイトル:「環境細菌のゲノムが語ること」

要旨:土壌・水圏・大気など、あらゆる環境に細菌は存在します。彼らは何を食べ、どのような場所を好み、他の生物や環境とどのように関わり合いながら生きているのでしょうか? 近年のシーケンス技術の発達により、細菌ゲノムの解読や、環境中に存在する微生物の全遺伝子情報であるメタゲノムの解読が盛んに行われるようになってきました。彼らの生活する姿を直に観察することは未だ容易ではありませんが、彼らの遺伝情報の生命情報科学的な解析によりその一端を覗き見ることは可能です。本発表では、ゲノム/メタゲノムデータを用いた環境細菌の生理・生態に関する研究について紹介いたします。

18回(公開)

日時:2016年8月29日(月)15:00~16:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館201教室

講演者: 阿部 真人 博士(国立情報学研究所  ビッグデータ数理国際研究センターJST, ERATO, 河原林巨大グラフプロジェクト  特任研究員)

タイトル:「非線形時系列解析を用いた生命現象解明の新展開」

要旨:生命は細胞、動物社会、生態系、進化といった様々なスケールにおいて、多数の要素が相互作用しながら時間的に変動する性質をもつ。そのようなダイナミクスに対し非線形力学系などの数理モデルを構築・解析することで理論研究は発展してきた。一方、計測技術の発達によって大規模な時系列データが得られるようになってきたものの、解析手法が発展途上であるため、実証研究に基づいたダイナミクスの理解・予測・制御は十分に行われていない。最近、非線形力学系と埋め込みの定理に基づいた時系列データの解析手法が発展し、複数時系列間の因果関係推定や、相互作用強度の推定が可能になりつつある。本講演では、力学系の基本から、非線形時系列データ解析の基礎と生物の時系列データへの応用例を紹介し、今後、生命現象をどのように解明していけばよいか議論したい。

17回(公開)

日時:2016年3月23日(水)15:15~16:45(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 61号館302教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:Martin Frith 博士(産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 主任研究員)

タイトル:「Comparing and aligning huge bio-sequence datasets, with application to genome rearrangements in hominid evolution」

16回(公開)

日時:2016年3月23日(水)13:30~15:00(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 61号館302教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:齋藤 裕 博士(産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 研究員)

タイトル:「エピゲノム解析とバイオインフォマティクス」

15回(公開)

日時:2016年3月14日(月)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館201教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:小寺 正明 博士(東京工業大学 講師)

タイトル:「天然物代謝のコンピュータ予測と群集生態学への応用」

14回(公開)

日時:2016年3月7日(月)15:15~16:45(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館101教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:佐藤 健吾 博士(慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科 専任講師)

タイトル:「整数計画法によるRNA配列情報解析」

13回(公開)

日時:2016年3月7日(月)13:30~15:00(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館101教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:種田 晃人博士(弘前大学 理工学部 准教授)

タイトル:「RNA情報学における多目的最適化」

12回(公開)

日時:2016年2月29日(月)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館101教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:白石友一 博士(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野 助教)

タイトル:「がんゲノム解析による体細胞変異検出から特徴的シグナルの同定」

11回(公開)

日時:2015年9月3日(木)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 西早稲田キャンパス 54号館1階 102教室 アクセス方法  キャンパス案内図 【教室が変更になりました】

講演者:尾崎 遼 博士(理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット 特別研究員)

タイトル:「エピゲノムデータ活用のための情報技術の現状と今後」

10回(公開)

日時:2015年9月2日(水)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 西早稲田キャンパス 54号館1階 102教室 アクセス方法  キャンパス案内図 【教室が変更になりました】

講演者: 林 浩平 博士(国立情報学研究所 特任助教)

タイトル:「因子化情報量基準の理論と応用」

9回(公開)

日時:2015年8月26日(水)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 西早稲田キャンパス 55号館N棟2階 電生会議室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:露崎 弘毅 博士(理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット 特別研究員)

タイトル:「大規模single-cell RNA-Seqデータ解析の現状と課題」

8回(公開)

日時:2015年7月31日(金)14:45~16:15(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館地下1階B04教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:亀田 倫史  博士(産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 ゲノム制御情報研究グループ 主任研究員/北海道大学大学院 生命科学院 客員准教授)

タイトル:「分子動力学法を活用した創薬支援」

7回(公開)

日時:2015年7月31日(金)13:00~14:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 54号館地下1階B04教室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:岩切 淳一 博士(東京大学大学院新領域創成科学研究科特任研究員)

タイトル:「RNAを中心とした生体分子間相互作用研究の現状と今後の展望」

6回(公開)

日時:2015年6月12日(金)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス 55号館N棟2階 電生会議室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:荒井 ひろみ 博士(東京大学 情報基盤センター 助教)

タイトル:「バイオ・医療データのプライバシを保護した利用」

第5回(公開)

日時:2015年3月30日(月)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス61号館 (4階)404室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:森 遼太 氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命専攻)

タイトル:「動的計画法を利用したRNA高次構造解析」

第4回(公開)

日時:2015年3月9日(月)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス61号館 (4階)404室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:大上 雅史 博士(日本学術振興会 特別研究員 (PD) 東京工業大学 特別研究員)

タイトル:「大量の立体構造情報から見えてくるタンパク質のつながり」

第3回(公開)

日時:2015年3月6日(金)14:00~15:30(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス61号館 (4階)404室アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:安田 知弘 氏(東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)

タイトル:「ゲノム構造多型に基づく染色体の大域構造推定」

第2回(公開)

日時:2015年2月24日(火)10:30~12:00(質疑・ディスカッションを含む)

場所:西早稲田キャンパス61号館 (4階)404室 アクセス方法  キャンパス案内図

講演者:井上 健太郎 博士(理化学研究所統合生命医科学研究センター統合細胞システム研究チーム 特別研究員)

タイトル:「実験とシミュレーションによるシグナル伝達システムのダイナミクス解析」

第1回(非公開)

日時:2014月12月10日(水)16:30~17:30

場所:55号館2階電生会議室

講演者1:福永 津嵩 氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命専攻)

タイトル1:「Computational Ethology:バイオインフォマティクスと動物行動学との融合」

講演者2:松本 拡高 氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命専攻

タイトル2:「(1. Mixture modelを用いたハプロタイプ推定と、(2. 確率過程を用いた遺伝子発現ダイナミクス解析」