教員からのメッセージ

「情報系」科目が得意/好きな学生へ

「生物学は専門用語や覚えることが多くて好きではないし苦手,だから浜田研は向いていない」と思っている学生も結構多いのではないかと思います.結論から言いますと,現時点で生物学が得意でない,または,好きでなくても大丈夫です.生物の勉強はは浜田研に入ってでも十分間に合います.実際,浜田研で研究している生物学は学部の講義でもちゃんとは勉強しない最先端の生物学となりますし,「暗記」をすれば解決するような生物学でもありません.それどころか,「情報系」科目が得意であるということが,浜田研に入ってバイオインフォマティクスを研究する際の大きな「強み」になるはずです.(浜田研の研究を調べてもらえばわかりますが,皆さんが思うよりも浜田研は「情報系」の研究を多数行っていますし,教員もそれをエンカレッジしています

実は,皆さんと同じぐらいの頃の私にとって,生物学は嫌い&苦手な科目第一位でした(数学が大好きでした).それでも,いろいろと縁があってこの世界に足を踏み入れてみると,私たち生物が分子レベルでとてもとても緻密かつ正確に制御されているということがわかり,毎日が驚きと感動の連続です.このように分子レベルで生物学を明らかにしていく現代の「分子生物学」においては,高度な情報科学の活用が極めて有用かつ必須になります.なぜならば,実験技術の進歩により,様々な種類の分子レベルの情報(「生物ビッグデータ」)が大量に取得できるようになっているからです.しかしながら,現時点においては,このような生物ビッグデータが十分には活用しきれていません.その大きな理由としては,活用するための解析技術・情報技術がまだまだ不足しているからです.そのため,現在世の中で公開されている生物ビッグデータにもまだまだ「お宝(=新しい生物学的発見)」が多数眠っているはずです.

「情報系」科目が得意な学生には,浜田研に入って頂き,(昔の私がそうだったように)生物に備わっている緻密な制御メカニズムに感動してもらいたいと思っています.そして,生物学にブレイクスルーをおこすような新しいバイオインフォマティクス技術を開発し,ぜひ埋もれた「お宝」の発見に貢献してもらいたいと願っています.

「生物系」科目が得意/好きな学生へ

「生物系」科目が好きな学生は,私達生物が持っている分子レベルの緻密な制御メカニズムに「感動」したことが一度はあるのではないかと思います.浜田研で行っている生物学は,場所を選ばずに(PCとスパコンに接続するネットワーク環境があれば)どこでもできる生物学となります.これはある意味今のコロナ禍の環境にとてもあっていると思います.(ただしウェットな実験設備には浜田研にはないので,生物実験を行うことはできません.)実際に,現在のコロナ禍においても,浜田研は(通常時に比べても)研究を遅延させることなく遂行できています.

一方,「生物系」科目が得意な学生は,もしかするとプログラミングなどの情報系科目には苦手意識を持っている学生もいるかもしれません.そのような学生でも,浜田研のすべての研究においてプログラミングの能力が必須となることを理解したうえで,入研後に十分に時間をかけてプログラミング習得を行うというやる気と意気込みがあれば,浜田研を志望してもらって大丈夫です.浜田研には,プログラミングが得意な先輩やスタッフも多数いると思います.それらの学生と切磋琢磨しながらプログラミング能力の向上に努めてください.そして,習得したプログラミング能力と自分が得意とする生物学と融合させることで, ブレイクスルーとなるような新しい発見を目指しましょう.

「生物系」科目が好きな学生が浜田研に入った暁には,自分が得意とする生物学的な視点から生物ビッグデータを情報科学を用いて解析を行ない,皆さんが見つけた新しい「感動」(=生物が有している精緻な制御メカニズムなどの新しい発見)を世界中の人に「共有」(発表)してもらいたいと願っております.

浜田研に入研を考えているすべての学生へ

入研に関して心配なことや疑問点がありましたら,遠慮することなく教員まで連絡をしてもらえればと思っています.また,浜田研以外にも,なるべく多くの研究室のオープンラボに参加することをおすすめします.

浜田研に入研後は,一つの学問分野を深く学ぶことの面白さ,世界でだれもやったことのない研究を行うことの楽しさを感じられるように指導をしたいと思っています.そのためのサポートは惜しむことなくします.

十分なやる気と自由な発想力を持つ学生の皆さんと一緒に研究ができることをとても楽しみにしております.ぜひ浜田研で最先端の情報技術を用いた生物学研究を行いましょう.